虚言は人を殺す。(1)
「魚と肉どっちの方が好き?」
「僕はベジタリアンだからね。お肉も魚も食べないよ」
「家畜みたいな食事風景だね。」
「偏食家なんてそんなもんだよ。」



「きっかけ」












大学生になった。ただなんとなく。特に理由もなく。僕は普通の人と比べて比較的頭が悪い方なのでよく入れたなというのが素直な感想だ。しかしまあ大学生なったことによって何かが変わったかと言われればそうでもない。
やはりいつも通りに。
ただなんとなく。
目標もなく。
夢もなく。
真面目になることもふざけることもなく。
空気のように窒素のように。
そこにあるだけの存在だ。
うだうだと根暗な存在だ。
そう言えばあのあと、来ヶ谷さんは一回だけ僕に話しかけてきた。
君を見てると気分が悪くなる、と。
だから私の視界から消えてくれないか、と。
視界に入る度に吐き気を催す、と。
その言葉を聞いて。
その思いをぶつけられて。
それでもなお、はあ、と言う曖昧な返事しかしなかった。
何だ、僕は。
本当に死んでいるんじゃないか。
心が。
精神が。
まともな機能をしていないじゃないか。
でも、結局のところ、人間は欠陥品だ。
僕も。
いや、僕が、例えばそういう定義の中で生きているとする。
そうすると、僕は?
なんなんだ。
欠陥品ですらないのか。
欠けてすらいない。
乾いた笑いがこみ上げてくる。
馬鹿馬鹿しい。
こんなの、決定じゃないか。
自分が決めてた事が。
自分と言うものが。
どう仕様もない程の、終わりという事に。
僕は死んでいる。
息絶えている。
だから、行動すべてが無意味だ。
何もかも、無意味だ。
地獄。
ああ、何でだろうな。
何でこうなってしまったのか。
答えは出ない。
自分ひとりでは出ない。
自分ひとりだから出ない。
だから、終わり。
思考は止まる。
何もかも、止まる。
それなら。
いっそのこと。
適当に。
馬鹿にしたように。
化かしたように。
曖昧に有耶無耶にしたように。
気張らず怠惰に存在しよう。
そして死にたいと言う感情は芽生える。
でも、友人の元には、なぜか行きたくなかった。
だからもうちょっとだけ。
後少しぐらいは。
僕は君がいないことに寂しがろう。
それでおしまいだ。
やはり、そんなもんだ。
僕なんてものは。













大学生になって一週間がたった。
僕は3限と6限しかとってないので比較的暇な時間が多い。
よって、3限が終わった後に昼飯を食べる時間は充分ある。
食堂に入りおばさんに注文しようとして僕が口をあけた瞬間後ろから肩を叩かれた。
誰だろう、と思いながら後ろを振り返る。
そこに、信じられない光景があった。
僕はその光景を現実とは思えなかった。
僕の方を叩いたのは。
僕と接触してきたのは。
紛れもない。
間違えるわけもない。
ツインテールに鈴をつけて。
表情が薄いその顔は。
棗鈴。
彼女だったのだ。
「ちょっといいか」
鈴は僕にそう言った。
「直枝理樹と言う奴を探している。」
彼女は、そのあとにこう言った。
「そいつを、殺しに来た。」


続く。
呂布
2015年06月08日(月) 09時42分08秒 公開
■この作品の著作権は呂布さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
ノンストップで書けるけども自粛。より良い物を書くために暫く休みます。しかし、こう、何だろう。暗い話ばかり書いてるな。値が暗いからかな?
まあそんなこんなでいつも通り。
呂布でした。

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