2人の距離間


暖かかった春も過ぎ、少しジメジメし始めた季節。


今日は割と涼しめだ。


雨もここ数日降っておらず、僕は中庭の木陰に座っていた。



どうしたらいいんだ…


僕は、危機に陥っていた。


どうすべきか、このままでいいのか…?


直枝理樹、一世一代の大ピンチだ。




事は数日前にさかのぼる。






葉「理樹くん、美魚ちんとはどこまでいったんですカ?」


理「え…どこまでって…別に普通だけど…」


葉「チューとかしちゃってないんですカ?」


理「し、してないよ!
そんな…まだ…早いと思うし…」


葉「えー、美魚ちんは待ってるかもしれませんヨ。
だいたい、もう何ヶ月続いてると思ってるんですカ!?」



僕らは今3年生だ。

恭介は卒業してしまい、まぁちょくちょく遊びに戻ってきてるんだけど…

あの事件からはもうすぐ1年が経とうとしている。

美魚に告白したのはそれからそう遅くはなかった。


つまり、葉留佳さんの言うことはもっともだ…


理「でも…やっぱりちょっと…」


来「なんだ、情けないな。
どれ、お姉さんが練習相手になってやろう。」


理「か、勘弁してよ…」


葉「とにかく理樹くん、男としてしっかりしないとダメですヨ!」


理「は、はい…」






と、いうことだ。


隣には小さな寝息を立てて、僕に寄りかかっている少女。


しようと思えばすぐにでもできてしまう距離。


だけど、やっぱり…


想像ではできてるのに…


いざ顔を見ると…


理「ダメだ、情けないな、僕って…」



勇気を出して少し顔を近づける。

もう10センチもない。


突然強い風が僕らの間を通り過ぎた。


理「うわぁ!」


気を張っていたため、びっくりして声を出してしまう。


美「ん…、どうされました…?」


理「あ、ごめん…
起こしちゃったね。」


美「いえ、完全には寝てませんので、少し目をつぶっていただけですので。」


理「え…?」



よ、よかった…

もし、してたらバレてた…



美「それで、何が情けないのですが?」


理「い、いやなんでもないよ!」


美「私は、情けない人は好みではありませんよ。」


理「え、あ…ごめん。
情けないよね…。」


美「ふふ、冗談ですよ。
それから、私はされても特に問題はありません…//」



少し顔を赤くしてそんなことをいう美魚を

僕は驚いて見つめてしまう。


理「な、何を…かな…?」


美「眠っている振りをしていれば、してくれるかもと思っていたのですが…」


理「な…ごめん…
でも、どうして…?」


美「この前…






葉「美魚ちーん!」


美「どうされましたか?」


葉「ずばり率直に聞きますヨ!
理樹くんとはもうあれやこれやとしちゃったんですカ?」


美「あれやこれやとは?」


葉「そりゃーいろいろですヨ…」


美「詳しく教えていただかなければ、
それから三枝さんの期待しているような返答はできないと思います。」


葉「えー、もうどれだけ経ってると思ってるんですカ!?
理樹くんも情けないなー。
男の子ならこう、バァーっとしちゃえばいいのに。」


美「バァーっと…」


葉「美魚ちんはしてほしくないの?」


美「少し興味はありますね…」


葉「じゃあ美魚ちん、仕掛けないとダメですヨ!
ふふふ、美魚ちんもやっぱり女の子ですネ!」


美「怒りますよ。」


葉「うわぁ、美魚ちん顔が笑ってないですヨ…」






…ということがありまして。」


理「そ、そうなんだ…」



葉留佳さんめ…

でもその葉留佳さんのおかげで、前に一歩進めそうだ。



理「美魚は、し、してほしい…?」


美「それをきくのはずるいですよ。」



そうだ、僕がいつまでたっても情けないのがいけないんだ。


勇気出さなきゃな。


一歩ずつでいいんだ、進まなきゃ。



理「でも、やっぱり恥ずかしい…」


美「本当に情けない人ですね。」



美魚が少し微笑みながらそう言う



理「う…すいません。」


美「ふふ、そこが直枝さんのいいところかもしれませんね。
私の気持ちまで気づかってくれたのでしょう?」


理「そんなことないよ。
僕だって男だよ。
そりゃ、獣にだって…」


美「では、近々期待しておくことにしますね。」



こんな感じで、僕ら2人の仲は続いている。


もどかしいような、心地いいような。


先を急ぐ必要はないんだ。


時間なんていくらでもある。



理「そろそろもどろっか、授業始まるね。」


美「そうですね。」



僕の半歩後ろを歩く彼女。


僕らの間を優しい風が吹き抜ける。


こんな近くにいるのに遠いものもあるんだ。


でもそれは決して悪い意味ではない。


少しずつ、近づけていけばいい。


僕らなら近づけていけるはずだ。



理「手、繋ごうか。」



その一歩。



美「はい。」


理「少し近づいたね。」


美「???」


理「なんでもない。」


美「そうですか。」



手に伝わるぬくもりがとても心地いい。


この手を離さないように、少しずつ近づけていくんだ。


そう、誓った。



美「ところで、直枝さんは獣になれるのでしょうか?」


理「う、うるさいよ!」




なぽレム
2015年06月20日(土) 03時10分10秒 公開
■この作品の著作権はなぽレムさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
お久しぶりですね。

読んでいただいてありがとうございます!

いやー、久々に書いた!

リハビリですねリハビリ笑

もっといいもの書けるようにいっぱい書いていきたいな!

では、次回も読んでいただけるとうれしいです!


この作品の感想をお寄せください。
どもどもお久しぶりです(*^^*)
久しぶり過ぎて涙が・・・

相変わらず美魚ちんの話良く書けていて最高です!!!
100 侑瑛 ■2015-06-20 15:46 ID :
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凄いよかったです。これからも頑張ってください。 0点 呂布 ■2015-06-20 07:33 ID :
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