クドあなざー 〜ぷろろーぐなのです!〜
今日は7月の20日

恐らく、全国の少年少女達が待ちに待ち、待ち焦がれた時。

そう、夏休みの幕開けである

全国の悪ガキ共が山へ虫取り、海に泳ぎに......

全国の娘達がプールでキャッキャウフフと洒落込む.....

終わりの見えない課題に、涙を飲む最後の一週間

うだるような暑さの中で食べるアイスキャンデーの味はいくつになっても決して忘れることはないだろう

夏祭りの夜には、綺麗な花火を眺めながら気になるあの子とランデブーなんてのも悪くない

そう

なんといっても




「夏休みだ」




.....こんな風に夏休みについて延々と語り続けているのは、ご存知我らリトルバスターズのリーダー、棗 恭介氏である。

「そうは言ってもよー、この状況じゃどうしようもないぜー」

フンッ!フンッ! と、見かけ的には100kgはゆうに超えるであろうベンチプレスを軽々と持ち上げ続けているのはリトルバスターズの愛すべき「筋肉(バカ)」井ノ原 真人

「確かに、夏休み初日にしてこのような事態に陥るとは俺とて予想していなかった」

そう言って恭介は、まだ半乾きのノートを取り出し、

「だが既に宿題を終え、残すは就職試験のみとなった俺には遊ぶという選択肢しか見えない!!つか、ない!!!」

「いや終わるの早すぎだし、就職試験対策しようよ.....」

「おぉ、さすが理樹!ナイスツッコミだ!」

「いやいやいやいや....」

すかさず恭介にツッコミ(既に日課)を交わす。

「それで?寮がすべて水浸しになっている原因はなぜだ?」

「おぉ謙吾、戻ったか!」

いつもの剣道着ではなく、学校指定のジャージに身を包んでいるのは、平成の宮本武蔵(又の名をクールバカ)、宮沢謙吾

「それがさ、どうやら2階の水道管工事をしてた時に業者の新人さんが大事な菅を誤って破壊してしまったらしいよ」

「そいつはすげぇ筋肉だな!!ぜひとも一度お手合わせ願いたいぜ!

「いやいや....筋肉は関係ないと思うよ....」

嬉々とした表情で声を荒げる真斗を適当になだめる

「全く、試合前だというのに防具どころか道着も全て水浸しだ。稽古が出来ない....」

「そ、それはご愁傷様」

珍しく泣きそうな顔をした謙吾に軽く戸惑いつつも、労いの声をかけることしか僕には出来ない。

「今年の夏休みは就職活動で忙しいでしょって母親に言われて、俺は実家に帰れないしなぁ」

と、恭介はどこか虚空を見つめるような表情で呟く

........ん??

「いやいや!だったら余計に対策しなよ!活動しなよ!」

「ふっ....それはそれ、これはこれだ!」

物凄いドヤ顔で言い返された。僕はやはり、この人には敵わないみたいだ....

「でも、鈴は帰ったんだよね?」

「あぁ、さすがの鈴も母親が恋しかったみたいでな」

「なるほどね。まぁ、まだ夏休みは始まったばかりだし、それでいっか。....それでさ、真人」

僕は恭介にツッコミをするのを諦め、話題を変えることにした。

「なんで、いるの?」

就職活動がある恭介や、試合が近いという謙吾なら分かる。でも、別に部活に所属しているわけでもない真人が実家に帰らないというのは少し謎だった。

「いやぁ、それがよ....」



「ぶっwwwwwwwwwwww」

謙吾が堪えきれず、噴き出した

「な、てめぇ!何笑ってやがる!!」

「ぷっ...w」

「り、理樹まで.....」

がっくりと肩を落とす真人

真人が実家に帰らない理由。そんなものは一つしかなかった

「いや...成績が悪すぎて父親に勘当されただなんて...お前らしいなwwwwww」

「うっ....ぐうの音もでないぜ....」

バカもここまで来ると親にさえ見限られるらしい。勉強だけはしていて良かったと今になって思う

天国のお母さんお父さん、見てくれていますか。

「なぁに、真人のバカさなんて小さな頃から全世界に知れ渡っていたことだ。いずれ親父さんも許してくれるさ」

恭介がさりげないフォローに入る。

「きょ、恭介ぇ〜!!」

筋肉という筋肉を鍛えに鍛え上げられた大男が、身体中のいたるところから汗とか涙とかその他諸々の汁という汁を飛ばしながら、男に抱きつく光景というのは....

「イイですね....素晴らしい光景です」

「ぬへっ!?!?」

突如背後から掛けられた背徳的な声に驚き、ついつい素っ頓狂な声をあげてしまう

「に、西園さん!?」

「こんにちは、直枝さん」

「ほぅ、理樹君は驚くとぬへっという声を出すのか。ふふっ面白い」

「来々谷さんまで!?」

この二人の登場には、正直とても驚いた。というか、ぬへってなんだよぬへって....

「二人ともなぜここに?」

「なぜと言われましても....御飯でしょうか?」

「あ....」

ついつい恭介や真人へのツッコミで忘れてしまっていたが、ここは食堂。

何を隠そう、男子寮は突然の水道管事故ですべて浸水、水浸し。

行き場を失った夏休み居残り組男子は、このようにして食堂に身を固めていたのである。

「それもそうだよね....」

「しかも、二人ではないぞ。…ほら、言いたいことがあるんだろう?理樹君のか、の、じょ、の!クドリャフカくん」

「わ、わふぅ…」

「え?」

来々谷に促され、前に出てきた小さな子犬。

その娘は、キラキラと淡く光る亜麻色の髪で、真っ赤になった顔を隠しおずおずとこちらの様子を伺っている。

その様子はなんというか....ものすごく可愛い。

「リキ…」

「く、クド?」

そう、その子犬は、夏休みに入る前に僕から告白して晴れて僕の恋人となってくれた愛しい彼女。能見クドリャフカだった。

「あ、あのですね、リキ、なんていうか、わふ.....ごにょごにょ....」

クドはなにか言いたげだ。でも、とても恥ずかしいのだろう。声が小さくて最後の方がよく聞き取れない。

「クドリャフカくん。ちゃんと言わなきゃ、理樹君には聞こえていないぞ?」

来々谷が、優しくも強く、次の言葉を促す。

「わ、わふ...」

「クド?」

数秒間の沈黙が流れる

リトルバスターズのメンバーのみならず、食堂にいた殆どの生徒の目がクドに釘付けとなっていた

やがて覚悟を決めたのかぐっと顔をあげ、まっすぐに僕の顔を見据えて彼女は言った。

「.....り、リキ、るーむめいと.....」

「い、今でも!....募集中...なの.…です…わふ」






りゅーちゃん
2015年07月22日(水) 22時42分18秒 公開
■この作品の著作権はりゅーちゃんさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
さてと…クドわふたーを題材にしたSSを書くと予告しておりましたが

仕事忙しすぎて全然筆がすすまないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい

というわけで、毎度の如くプロローグから書かせていただくことにいたしました。
第1話(と、第2話?)は、8月中に掲載予定です
(つか絶対する!!気合で!!!)

世知辛い文章ですが、感想、批評、ほんの少しの応援、待っております

この作品の感想をお寄せください。
とても良かったです。クドの話は凄く書きにくいので僕も参考にします。 100 呂布 ■2015-07-22 23:48 ID :
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