叶わぬ恋心〜badend〜
――あぁ、これが最後か……
目を閉じ重力を感じる。
あぁ、これで俺も幸せに……
重力がどっと感じる。
そして腕の骨がきしむ音がする。
ぶら下がっているような感覚。
上を見上げると、腕にはカーテンが掛かっている。
そしてそのカーテンの上にはあの人が必死な目でカーテンを掴んでいる。
その後ろにきっとあいつらもいる。
だが、段々と落ち始める。
それもそうだ、俺は男できっとあの教室に要るのは女子ばかり。
か弱い女性の力では無理だろう。
段々ずり落ちていく。
下には木々があり、落ちたら確実に無事ではないだろうな。
「来ヶ谷! 手を離せ」
「ふざけるな! 恭介氏が死んでしまう!」
ずるずると下に下がっている。
ということは、あいつらまで落ちてしまうな。
それだけは防がなくては……
俺はとっさにポケットを探すと、カッターが入っていた。
上からは「恭介! 恭介! 恭介ぇえええ!!」と教師に掴まれながら、乗り出して理樹達が俺を呼んでいる。
きつそうな顔をしてる来ヶ谷を見たくない。
ならやることは一つだけ。
俺は何のためらいもなく手にくっついているカーテンを切り始める。
「恭介氏! 何をしているんだ」
その瞬間、ビリッと音が鳴り腕のカーテンと来ヶ谷達が持っているカーテンが切り離された。
来ヶ谷達は引っ張る勢いがそのままあり教室へ戻され、俺はそのまま落下する。
そして下に植えられていた木に当たり衝撃が少しは和らいだが、花壇のふちに後頭部をぶつける。
俺の視界は段々とボケけはじめ、そして気を失った。
次に目が覚めたのは真っ白な天井が見える病室だった。
「…………」
「恭介!」
「…………」
「バカ野郎、心配したんだぞ」
「大丈夫か? 恭介」
「バカ兄貴!」
ベッドの横には妹の鈴と三人の制服を着た男子生徒が立っている。
誰だ?
俺の……知り合い?
「鈴」
「バカ兄貴よかった」
「それと誰だ」
「!?」
「恭介まじでそんなこと言ってんのかよ!」
「……まさかとは思っていたが……」
「バカ兄貴。理樹とバカとバカだぞ?」
「恭介氏」
「誰だ?」
「……やはりな、そんな気はしていた」
俺の目の前にもうひとり女性が現れた。
黒髪でロングの髪をしている巨乳の女子生徒。
だが、それが俺には誰だかわからない。
「リトルバスターズのメンバーの僕の彼女だよ!」
「リトルバスターズ? なんだそれ」
「……嘘でしょ、恭介」
「理樹くん、多分恭介氏は記憶喪失になっている」
「嘘だよ、僕達のリーダーの恭介が……記憶を失うわけないよ」
リーダー?
だからこいつらは誰なんだよ。
俺は知らない。
「いつでも面白いことを……」
「理樹くん」
「恭介!!」
「もう帰ってくれ……赤の他人だろ」
彼らにとってその言葉はきっと拒絶されたと思ったんだろう。
俺と鈴を残して病室を出て行ってしまった。
数日の精密検査やらなんやらで一ヶ月後には学校に行けるようになっていた。
外ではリトルバスターズなんていうクラブだかなんだか知らない集まりが騒いでいるのが見える。
鈴に友達ができたことは嬉しいが、あんな連中と一緒なのは心配だ。
「棗君」
「……誰だ?」
「もー、あーちゃん」
「あーちゃん? 知らねぇ」
「天野。クラスメイトの名前も忘れたの?」
「…………」
耳障りになった。
その声は聞き覚えがあったが、今の俺には耳障りでしかなかった。
だからこそ無視をした。
俺の周りからは誰もいなくなり、そして卒業してしまった。
そう彼らのことを思い出すことなく……。
七ヶ岳星夜
2016年05月15日(日) 13時24分47秒 公開
■この作品の著作権は七ヶ岳星夜さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
復活したということで書きました。

この作品の感想をお寄せください。
自分も久々に投稿しようと思ってやりました 笑
これからはちょくちょく書いてくのでまたよろしくです!(*^^*)
100 みやっち ■2016-05-09 19:29 ID :
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