ありがとうという言葉


真「飯だ飯だぁー!!」



真人が大声をだしながら席を立つ



真「理樹!!学食行こうぜ!!
腹へって死にそうだぜ…」


理「そうだね、行こうか♪
謙吾も行こうよ。」


謙「あぁ、そうだな」



そう言って学食へと足を向ける僕達に
声がかかる。


僕達というかある一人だけど。



ク「いーのはーらさん♪」


真「おぉ、どうしたクー公」



声をかけてきたのはクド。


あの真人が風邪を引いた一件から
二人の距離は縮まった。


それも急速に


言ってしまえば恋人どうしだ。


そんな二人をみてるのはとても微笑ましい。



ク「今日はお弁当を作ってきました♪
ご一緒に食べませんか?」


真「マジかよ!?
だがよ…
今から学食に・・・」


理「行ってきなよ真人。
僕達のことはいいからさ。」


謙「そうだぞ
女の子の誘いを断るのは
いただけんな。」



真人がそう言ってたので僕らは
クドと食べるよう薦める。


真人のことだから先に約束した方を
とるだろう。


それも真人のやさしさなんだけど


でもやっぱりクドと一緒の方がいいと思う。



真「すまねぇな理樹、謙吾。
じゃあ行ってくるぜ!!」


謙「ふっ、俺は理樹と二人で学食へ行くとするか。」


真「ふ、二人でだと!?
うぉーー!!
ずりぃぞ謙吾!!」


ク「井ノ原さん・・・」



クドが真人の袖を引っ張って少し拗ねている。



真「冗談だよクー公。
よっしゃ行くか!!」


ク「はい♪」


真「で、どこで食うんだ?」


ク「西園さんにあの木の下を譲っていただきました♪」


真「おぉ、そりゃ最高じゃねぇか!!」



そう言って二人は教室を出ていく。



真「それ、重いだろ
持ってやるよ。」


ク「ありがとうございます。」



クドが両手で抱えていた重箱を
真人はひょいと片手でもつ。


身長差はあるもののこころの距離の差はほとんどない。


それはこの光景を見ていれば一目瞭然だ。



そんな二人を見送って、僕と謙吾は学食へ向かう。


必然的に西園さんとも一緒になった。







俺はクー公に昼飯に誘われた。


約束してた理樹と謙吾には悪いが
クー公と一緒にいたかった。



クー公が重そうに重箱をもってたから
手伝ってやると
クー公は笑顔をこっちに向ける。



ク「ありがとうございます♪」



俺はそれだけで満たされる。


空腹は別だが…



ク「今日は頑張って井ノ原さんのために作ったのでたくさん食べてくださいね♪」


真「ありがてぇぜ!!
そうと決まれば早く行くぞ!!」


ク「はいなのです♪」







いつも西園が座っている
木の下に俺らは隣どうしで座る。


恋人どうしになったのはつい最近だから、こうして二人で何かをするのは
初めてかもしれねぇ。


何していいかわからねぇがとにかく
いつも通りでいいんだよな?



ク「井ノ原さん、どうされたんですか?」



そんなことを考えてるとクー公が重箱を空けながらこっちをのぞきこんできた。



急にのぞきこまれたため
びっくりした。



真「いや、なんでもねぇ…
お、すげぇうまそうじゃねぇか!!」



クー公が作ってきた弁当の中には
いろんな食べ物がところ狭しと
並んでいる。



真「これ全部クー公が作ったのかよ!?」


ク「はい♪
頑張りました♪」



クー公は少し照れながら
そう言ったような気がする。




真「食っていいか?」


ク「もちろんです♪」



俺は昆布の煮しめに橋を伸ばす。


味が染みていてすげぇうまい。



ク「どうですか?」



クー公は恐る恐るそう聞いてくる。




真「すげぇうめぇぞクー公!!」


ク「ほんとですか?」



クー公は嬉しそうに聞いてくる


やっぱり中身は和風のものが多い。


クー公もよっぽど日本が好きなんだな。


真「マジでうめぇぞ!!
お前も食ってみろよ!!」



俺は自分の箸でさっき食べた昆布の煮しめをとる。


それをクー公の口に持っていく。


なにも考えずにやったことだが
よく考えると…


すげぇ恥ずかしいことしてんな…



クー公も顔を赤くしてる。



真「ほら、口あけろ。」



俺は恥ずかしさを悟られないよう
そう伝える。



ク「あーん…//」



顔を赤くしながら口をあけるクー公


その小さい口を見ると
あることが頭に浮かぶが
すぐにその雑念を消す


何かんがえてんだ俺は・・・


そのままクー公に昆布の煮しめを食べさせる。



真「どうだ?」


ク「すごくおいしいのです♪
い、井ノ原さんが食べさせてくれたのでさらに・・・//」



消え入りそうな声で最後にそう付け足す。



真「へへっ、そりゃ嬉しいぜ。」



人を好きになるってことは
こんなにすげぇことなんだな。


すげぇ恥ずかしいけどなんか
清々しいというか


いつも通りがいいんだろうけど
意識してしまう…


いや、こんな可愛いやつを前にして
意識しねぇやつがいんのかよ



そんな変なことを考えてると
クー公が大きなあくびをした。



真「なんだ?クー公
眠いのか?」



言ってから気づいた…


こんなでっかい弁当作るのに
普通に起きて間に合うわけがない。


俺のために早起きして作ってくれたのか…



ク「はい…
少し眠いです…」




なぜか今さらあんなことを考えてた後だとありがとうと恥ずかしくて言えず



真「寝とけクー公、
授業で寝てたら怒られるぞ。」



と、いつも自分が寝てるくせに言ってしまう。



ク「すみませんそれではお言葉にあまえさせていただきます。」



そう言ったクー公だが
なぜかそわそわしている。



真「どうしたんだよ?」


ク「ど、どうやって寝たらいいのか
わからなくて…」



そうやってそわそわしてるクー公がおかしくて



真「んなの、俺のひざを枕にして寝りゃいいじゃねえか。」



俺もあまり深く考えることをやめた。



ク「わ、わふー…//
膝枕ですか・・・
いいんですか?」


真「お安い御用だぜ!!
ほら、早くしないと時間なくなるぜ。」



するとクー公はゆっくり俺のひざで寝る体勢になる。


それが犬みたいで可愛かった。




しばらくして俺はお礼を言う。



真「俺のために早起きして弁当作ってくれてありがとな。」



安心しきった寝顔を見ながらそう伝える。


信頼してくれてんのか。


一生守ってやろう。


どんなことがあっても。


そう思えるやつだ、クー公は


理樹や鈴とは少し違う。


とても不思議な感覚。


でもすげぇ心地いい感覚。


こいつといるだけで幸せな気分になる。


クー公も一緒だといいんだけどな。



初めて人を好きになった。


俺も成長したのか


あのときからはとてもじゃねぇが
考えられない。



寝てるクー公の頭を優しくなでる。



真「ありがとな」



いろんな意味を含めて俺は言った。








とても眠いのですが
井ノ原さんのひざということもあって
眠れません…


ありがとう


と、聞こえてきました。


今日のことでしょうか?


全然オッケーなのです。


大好きな人のために頑張ったんですから。


おいしいといってくれてとてもうれしかったです。


こちらこそありがとうなのです。



また、ありがとう


と聞こえてきました。


今度は何のことでしょうか?


ですが私もありがとうと
伝えるべきことはたくさんありますよ


看病してくれたこと


す、好きと言ってくれたこと


こうして二人でいられること。


他にも数えきれないほどたくさんありますよ。


井ノ原さんも同じことを考えてくれてるんでょうか?


だとしたら…



ク「(どういたしまして)」



こう言うのが一番かもしれませんね。


そして私からも


ありがとうございます♪





クリミア
2016年06月13日(月) 23時55分09秒 公開
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