愛すべき者のために



鈴「おい、今なんて言った?」


真「聞こえなかったのかよ…」


鈴「いや、聞こえたが念のため確認だ。」



僕と鈴は真人に呼ばれ、僕らの部屋で話を聞く。



真「理樹、お前は聞こえなかったのかよ。」


理「聞こえたけど、僕ももう一回いってほしいかな…」



それだけ真人の口から発せられた言葉は意外なものだった。



真「だからよぉ…」




鈴「なにぃ!?
料理を教えてくれ!?」



僕も耳を疑った…



理「どうして急に料理を教えてもらおうなんて思ったの?」


真「この前クー公に弁当作ってもらってよ、その礼がしたいんだ。」



それで真人も料理を作りたいのか。


すごくいいことだと思うけど、


不安でしかない…



鈴「でもなんであたしたちなんだ。
小毬ちゃんたちに聞けばいいだろ。」


真「料理を教えてくれなんて頼めなかったんだよぉ…」


鈴「でもあたしたちもどうすることもできん。
やっぱり小毬ちゃんを呼んでくる。」



それでも協力しようとするあたり、
鈴も真人のことを大事に思ってるんだろうな。



真「おい鈴、間違っても三枝と来ヶ谷は呼ぶなよ。」


鈴「わかった。」



確かに僕も同じ状況ならあの二人はよんでほしくないかも…


鈴が女子寮へと戻る。


僕らは食堂へと向かう。



理「真人、料理作ったことある?」


真「あるわけねぇだろ…」



まぁ、そうだよね。



ー食堂ー



真「おい鈴…
お前人の話聞いてなかったのかよ!?」



そこにはクド以外のメンバーが集結していた。


もちろん謙吾、恭介も。



葉「いやー、クド公のために真人君が料理かー♪
これは見届けないとですな、姉御♪」


来「うむ、なかなか可愛いところがあるじゃないか真人君も。」


美「私もできるだけサポートいたします。」


恭「お前にもそんな時期がきたのか。
成長したな真人。」


謙「お前には無縁なものと思っていたがな。
愛すべき者のために初めての行動か。
すばらしいことだな。」


真「・・・
おい、小毬はどうした。」



確かに小毬さんが見当たらない



鈴「小毬ちゃんにはクドに怪しまれないように遊んでもらってる。」


真「なんで、一番重要なやつを
置いてくんだよ!!
こいつらにやらせときゃいいじゃねぇか!!」


みんなを指差しながら真人は声をあげる。



理「まぁまぁ…
みんな手伝ってくれるんだからさ。」


真「ぐっ、わかったよ。
とにかくみんな手伝ってくれ。」


恭「よし、お前らミッションスタートだ!!」


一同「おぉー!!」





真「まず、何をすればいいんだ?」



初っぱな真人がつまずいた。



美「何を作ろうと思ってるんですか?」



そこが一番重要だ。



真「まだ決めてねぇ…」



えぇーー…



恭「食堂にあるものは好きに使っていいらしい。」


来「む、いいのかそんなことをして。」


恭「あぁ、さっき事情をおばちゃんに説明したら快く了承してくれた。」


真「恭介、まさか事情ってのは…」


恭「あぁ、事細かに説明してやったさ。」



恭介の話によるといつも自分たちの作るごはんをたくさん食べてくれる真人のためならと許可してくれたらしい。



真「うぉーー!!
なんでこんなことになってんだよぉ!!」


鈴「なんでだろうな。
不思議だ。」


真「てめぇのせいだよ!!」



食堂は暖かい空気に包まれている。


真人も口ではあぁ言っているが
みんな手伝ってくれてうれしいんだと思う。



謙「それで、結局何を作るんだ?」


真「おっと、そうだったな。」



初めての料理だ


あまり難しくない方がいいだろう。


クドの好みにも合わせないといけない。



葉「超激辛カレーとか♪」


真「三枝、てめぇは黙ってろ!!」


葉「ガーン!!
真人君に言われたぁ!!
こうなったらはるちん…」



美「肉じゃがなんてどうでしょうか?」



西園さんが葉留佳さんの言葉を遮って
意見をだす。



葉「みおちん…
人の話をつぶさないでよぉ…」


美「あまり重要なことではないと思いましたので。」



西園さんがそういい放つ。



葉「姉御ぉ…
みおちんが厳しいよぉ…」


来「うむ、葉留佳君は少し黙っているといい。」


葉「姉御まで!?」



葉留佳さんがちっちゃくなってしょげている。


まぁ、いつもの光景だ。


話がかなり逸れてきてるが真人が戻す。



真「肉じゃがか…
いいかもしれねぇな。」


恭「よし、料理は決まったな。
俺たちは指示を出すだけだ。
後はすべて真人、お前の仕事だ。」


真「おうよ!!
で、まず何をすればいいんだ?」


来「具材を切るところからだな。」



真人が包丁を持ち、台所へ立つ。


ぎこちないながらもゆっくりと切っていく。


僕らは見守るだけ。



真「はい、指切ったぁ!!
いってぇー!!」



あんなゆっくりでも指切ったりするんだ…



理「大丈夫?真人。」


真「くそっ、料理ってこんなに難しいのかよ!!」



まだ料理っていえない段階だけどね。





すべての具材を切りおえ


味付けなんかも僕らの指示通り
やっていく。



真「他に何か入れるもんはねぇのか?」


葉「ふふふ、最後にとっておきのものがありますヨ♪」


真「マジかよ!?
教えてくれ三枝。」



真人も素直だなぁ。


葉留佳さんの意見を聞こうとしてるのか。



葉「それはズバリ、愛ですヨ♪」


真「は?」



思ってたよりひどいものではなかった。


みんな一様にうなずいている。



葉「真人君のクド公に対する愛情を入れなきゃこの料理は完成しません!!」


真「なんだよそりゃ…
入れたら美味しくなんのか?」


葉「なりますヨ♪」


真「よっしゃ!!
入れてやろうじゃねぇか!!」



真人は懐からあるものを取り出す。



そこにはプロテインの文字



理「ちょっと待って!!
真人、なにいれようとしてるの!?」


真「何ってプロテインだが。」



真人が真顔でそう言う。



理「プロテイン入れたら美味しくないでしょ!?」


恭「能美をどうさせたいんだお前は。」



クドがムキムキなんて見たくない…



真「俺とクー公はマッスルメイトだぜ!!」



いやいやいや…


僕らは必死で真人がプロテインを入れるのを止めた。



トラブルもありながらとりあえず真人の初めての料理は完成した。


具材などとてもきれいとは言えないが、たぶん愛情はこもってると思う。


そんな料理だ。



鈴「クドを呼んでくる。」



鈴がクドを呼びに行き、
僕らは真人を食堂へ残し

自室へ戻る。



暖かい雰囲気の立ち込める食堂を
あとにした僕たちは


笑顔を浮かべるクドとすれ違った。



続く
クリミア
2016年06月16日(木) 02時29分08秒 公開
■この作品の著作権はクリミアさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
これからは新しくこの続きを書いていきますよ!
もっとこうしたほうがいいだとか、なんでもいいのでコメントなんかもらえたらそれはたいそう喜びます。笑
もっと書き手さん増えろー!
いろんなの読みたい!!

この作品の感想をお寄せください。
みやっちさん!
ありがとうございます!!
僕もみやっちさんの見てますよ!
とても面白くて好きです!
0点 クリミア ■2016-06-17 12:34 ID :
PASS
どうも!みやっちです!
なぽレムさんの過去の作品はたくさん読んでいましたよ!また投稿してくれて嬉しいです!(^^♪
(そろそろ自分も投稿せねば……(-ω-;))
100 みやっち ■2016-06-16 22:52 ID :
PASS
合計 100
お名前(必須) E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)点  削除用パス 


<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD 編集 削除